サイエンスセミナー
トワイライト講座
 
陸生動物の多様性U『蝶々にまつわるエトセトラ』 2006.07.28
 豊富な生物多様性が生じたメカニズムについて、以下の3つの話題を概説。
1ミューラー型擬態によるドクチョウの種分化
[参考文献]Jiggins CD et al. (2001) Nature 411:302-305.
2ベイツ型擬態に由来するシロオビアゲハの種内変異
[参考文献]
上杉兼司 (2000)『蝶の自然史』大崎直太·編, 北海道大学図書. pp.106-123.
Ohsaki N (1995) Nature 378:173-175.
Ohsaki N (2005) Journal of Animal Ecology 74(4):728-734.
3モンシロチョウ・オスの繁殖戦略と個体変異
[参考文献]Hirota T, Obara Y (2000) Zoological Science 17(3):323-327.
Hirota T, Obara Y (2000) Zoological Science 17(8):1081-1087.
Hirota T et al. (2001) Zoological Science 18(4):475-482.

廣田忠雄 (2001) 昆虫と自然 36(1):22-26.
課題1 ミューラー型擬態とベイツ型擬態の違いを説明せよ。
答え:
いずれも捕食者に避けられる効果があるが、ミューラー型擬態は、捕食者に対して抵抗力(毒・攻撃性)がある生物が同じ警告色(警戒色)を共有する現象。一方ベイツ型擬態は、捕食者に対して抵抗力がない生物が、抵抗力のある生物(model)の警告色を真似る現象。ミューラー型は、捕食者の学習効果を高めて、擬態に参加している生物がみな得する。一方、ベイツ型は真似した生物(mimic)は捕食されにくくなるものの、捕食者がmimicを食べた後に学習がキャンセルされるので、modelは単独で警告色を持つ場合より捕食されやすくなってしまう。
課題2 両擬態の違いを、分かりやすく説明できる例を考えよ。
答え:
いずれの擬態も、害を与える相手に嫌われたり、恐れられることで利益を得るので、その様な例であれば本来の意味から外れない。
例)ミューラー型:警察・軍隊の制服,パトカーのデザイン,警備会社のシール
    ベイツ型:以上のデザインの模倣
ただし、好まれる形態によって利益を得る例でも、両擬態の重要な差異を説明できる。
例)ミューラー型:ブランド(モノグラフなど),産地(松坂牛・魚沼産など)
         安全を保障する表示(無農薬など)
    ベイツ型:以上の物の類似・虚偽の表示
学科受講人数
数理36名
物質生命化学21 
物理10 
生物11 
地球環境10 
 
研究室 動物生態ゼミ 文献講読 農工大ゼミ 社会生物学 参加大会

廣田 忠雄 @ 山形大学 理学部 生物学科 生物多様性大講座