どんな研究をしているの?

私は、物質中にいる電子間に働く相互作用を如何に厳密に取り扱うか、と言うことに興味を持ち研究をしています。物質の中で、電子はいろいろな物と相互作用 をしています。物質を構成している原子や分子の振動とも相互作用をしていて、水銀のような金属が超伝導になる原因になっています(BCS理論と言いま す)。高温超伝導の原因は、こうした原子分子の振動との相互作用だけでなく、電子間に働くクーロン相互作用にも原因があると考えられています。

クーロン相互作用を厳密に取り込むことは、実はとても難しいのです。電子が2、3個しかないなら話は簡単です。ですが、固体中には10の23乗個の電子が あり、そうなるともうお手上げです。現実には100から1000のオーダーでどれだけ厳密に相互作用を取り込めるかが勝負になってきます。そのくらいの電 子に対して計算できれば、現実の物質中にいる電子の振る舞いも、ある程度想像できるからです。

こうした多粒子系の相互作用を考える理論は、素粒子原子核の理論とも密接な関係にあります。私が取り組んでいる共鳴Hartree-Fock法は、ほぼそ のままの形で、原子核理論の計算に応用できます。”相互作用”というキーワードは、物理(あるいは化学にも)に共通するテーマなのです。





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