Research Institute for Ice Monsters and Volcanoes of Zao
蔵王山やその周辺地域の自然環境は近年2つの点で大きく変わりつつあります。一つ目は、2011年3月の東北太平洋沖地震の結果としての島狐内部の環境の変化です。その結果、温泉活動の変化や、噴火前兆的現象の活発化がみられます。二つ目は、大気環境の変化で、大陸からの汚染物質の飛来増加や蛾の食害による樹氷の木の枯死の拡大です。これらは地球温暖化との関連が懸念されています。
蔵王山や周辺地域を対象として、火山噴火現象を火成岩や深成岩を用いて研究して地下の環境を解明すること、樹氷を用いて近年の大気の環境変化をモニタリングすること、および地域の防災対策に寄与することを目的として2014年11月に「蔵王樹氷火山総合研究所」が設置されました。2019年10月までの第一期に引き続き、第二期は2024年10月まで活動することが認められています。2023年2月に、山形大学認定研究グループ等の細則改正に従い、名称を「山形大学認定 蔵王樹氷火山総合研究会」に変更しました。
今後もこれまでの研究を引き継いで研究を行います。島弧内部については、火山の噴火履歴の火山学的な詳細解明や今後の噴火ハザードの数値シミュレーション、深成岩の岩石学・地球化学的研究によるマグマ及び熱水流体の発生・移動の解明を行います。樹氷については継続した地球化学的モニタリングや樹氷関連資料の発掘と樹氷史からの地球環境の変化の解析を行います。
【2024/11/1】 「山形大学認定蔵王樹氷火山総合研究会」の認定期間は2024年10月で終了しました。