Faculty of Science, Earth Sciences Cluster

参加教員MEMBER

地球科学クラスターは,過去と現在の地球を理解し,未来を予測するための教員グループです.

参加教員

教員名 写真 メッセージ
井村 匠 講師
【博士(理学)】

山形大学研究者情報

Researchmap

Researchgate

教員紹介動画

いくつかの活動的な火山には,火山体内部に「熱水系」が発達します.熱水系は,マグマあるいはマグマから分離した高温ガスによって温められた地下水が対流する場であり,活火山における様々な自然現象を引き起こします.例えば秋田県の川原毛地獄では,一面に広がる真っ白な岩石や火山ガスを轟々と出す噴気孔が,荒涼とした不思議な風景を形づくっています.このような風景は,既存の岩石が熱水系と反応して物理化学的に改変されたことで自然に作られたものです.
私は,国内外各地の火山に産する「水蒸気噴火」による噴出物を対象として,それらの地質・岩石・鉱物学的特徴から,水蒸気噴火がどのような現象であるのかを探ってきました.水蒸気噴火の噴出物は,多くの場合川原毛地獄のような真っ白い岩石片や粘土の塊から構成されますが,時折マグマ片を含む場合もあります.これは「水蒸気噴火」が熱水系とマグマが互いに複雑に関係しあって生じる現象であることを示唆します.熱水系とマグマを含めた火山活動の中で「水蒸気噴火」がどのような位置づけとなるかを明らかにしていき,今後の噴火予測へ貢献するために調査を続けていきたいと考えています.
甕 聡子
助教
【博士(理学)】

山形大学研究者情報

Researchmap

Researchgate

教員紹介動画
骨や歯、貝殻、甲殻類の甲羅は生物がつくる鉱物の集合体です。生物が鉱物をつくることはバイオミネラリゼーションと呼ばれます。生物が関与せずにできた鉱物とは異なる特徴を示すことがあります。バイオミネラリゼーションの研究は、生体硬組織ならではの特異性を工業利用する生体模倣(バイオミメティクス)科学や、生物の硬組織の中には古環境指標として有効なものもあり古環境学へ貢献することが期待されます。
私が研究対象にしている造礁サンゴの骨格は、熱力学的に無機的な環境では形成されにくいアラゴナイトという炭酸塩鉱物でできています。どのようにサンゴがアラゴナイトを形成するのか、骨格を形成する鉱物の形や結晶の特徴の観察、化学分析を用いて解明を試みています。生物の硬組織形成過程には、様々な要因が関与しており、その解明には多様な視点が必要でけして一筋縄ではいきません。しかし、試行錯誤する面白さがあります。また鉱物の観察からその鉱物ができた形成過程を明らかにするという手法を、岩石中の炭酸塩にも応用し、生体の関与の有無で生じる炭酸塩鉱物の特徴を明らかにしたいと考えています。
常松 佳恵 准教授
【Ph.D】

山形大学研究者情報

Researchmap

Researchgate

Academia.edu

教員紹介動画
火山噴火現象は、ある面はとても美しく、ある面はとても恐ろしい現象です。その神秘に魅せられたため、防災に対する使命感を感じたため、火山防災の研究を続けています。
火山灰や火砕物という、爆発的な噴火で放出されるマグマや火山体の破片がどのような運動をするのか。溶岩流や火砕流など、火山の斜面にそって流れるものがどこをどのように流下するのか、などを数値モデルで表し、コンピュータシミュレーションを行って再現します。このようなモデルは、現象を調べてそのメカニズムを解明することによって作られます。どうして、なぜ、火口の周りには大きな岩が落ちて、小さな岩片は遠くまで飛ばされるのか。溶岩の流れやすさはどんな要因で決まるのか、などの問いに向き合っています。時には野外で噴火を観測したり、噴出物を調査したりします。また、岩石の大きさや密度をひたすら測り続ける時もあります。そして得られた情報はコンピュータに入力され、シミュレーションの条件になります。とても地道な作業ですが、神秘的な現象のメカニズムを知ることができるとてもエキサイティングな研究です。
石瀬 素子
テニュアトラック講師
【博士(理学)】

山形大学研究者情報

Researchmap

日本列島は地球上で最も活発な地震・火山が見られる地域の一つであり、大災害を引き起こすような大地震や大噴火も歴史的に繰り返し発生してきています。しかし、日本列島の全ての場所で同じように地震活動や火山活動があるわけではなく、その分布には偏りが見られます。
私は、「なぜ」「そこで」「そのような」地震が起こったのか?を明らかにすることを通して、どこでどのような地震が起こるのか?という未来の地震による災害軽減につなげていくための研究活動を行っています。具体的には、現代の地震観測で得られた地震データを用いて「現在」の日本列島の下の詳細な3次元構造を明らかにし、これに基づいたフィリピン海プレートや太平洋プレートの構造をモデル化、地震発生場の構造の特徴の検討,構造の時間変化に関する研究を行っています。また、古文書に書かれた地震被害の情報を活用した現代地震観測を行うことで「過去」の揺れを精度良く推定し、過去に起こったことを検証するための地震観測研究も行っています。このような地震学の研究を通して得られた知見をわかりやすい形で社会に発信し、「未来」の地震の災害軽減につなげていきたいと考えています。
加々島 慎一 准教授
【博士(理学)】

山形大学研究者情報

Researchmap

教員紹介動画

地球の表面を覆う地殻には大陸地殻と海洋地殻があり,大陸地殻上部を構成する主な岩石は花崗岩です.花崗岩は約40億年前から地球上に存在していたことから,大陸地殻の形成と進化には花崗岩の生成が大きく関わってきます.では,花崗岩はどのようにして生成されたのでしょうか.それを解明するため,現在地表に露出している花崗岩体の地質調査をし,採取した岩石試料を用いて室内作業を行います.岩石薄片観察,全岩・鉱物化学分析,年代測定等によって花崗岩の成因を考察します.これまで私は新潟県北部の岩船花崗岩類を中心に,飯豊・朝日連峰など山形周辺地域での調査,その他多数の山域に足を運んでいます.またアフリカのモザンビークや南極の学術調査に参加し地球全体へと目を向けています.地球の歴史を地質学・岩石学から紐解いていきませんか.
岩田 尚能 准教授
【博士(理学)】

山形大学研究者情報
Researchmap
Researchgate
ORCID ID
Web of Science
Scopus Preview
教員紹介動画

火山噴火などの地質現象がいつ起こったかを推定する方法の1つに,放射性核種が一定の半減期で崩壊することを利用する放射年代測定法というのがあります.私は放射年代測定法のうち,主としてK-Ar法を用いて火山や深成岩体の形成過程を調べています.主な研究対象は,国内や南極の岩石です.東北地方の火山・東日本の花崗岩体(阿武隈・北上山地など)・南極半島の火山岩ややまと山脈の片麻岩などの年代を測定しました.日本国内でK-Ar法で年代測定ができる機関は数少なく,希少価値があると言えるかもしれません.
放射年代測定は,質量分析・同位体地球科学・岩石鉱物学・化学分析などの手法を用いる総合的な研究です.勉強することが多くて大変ですが,興味を持ってもらえるとうれしいです.

                             [クラスター事務取扱(2021.7〜)]
本山 功 教授
【博士(理学)】

山形大学研究者情報

Researchmap

教員紹介動画

   興味の的を一言でいえば,地球の歴史です.そしてその中でも地層(とくに海で形成された地層,すなわち海成層)に記録された古環境(温暖化や寒冷化,海洋循環)や微古生物(とくに放散虫)に着目しています.深海底でできた海成層であっても,地殻変動により隆起して陸上に露出することもあります.そこで,研究材料を得るために,海洋調査を行ったり,あるいは東北・北海道などの山野にでかけて徒歩で調査をしたりします.卒論でも修論でも,自分のテーマを持って海や山へ調査に踏み出せば,きっと何か新しい発見にめぐり会えるはず.その積み重ねが,人類全体の地球への理解を一歩ずつ深めてゆくのだと思います.
伴 雅雄 教授
【博士(理学)】


山形大学研究者情報

Researchmap

Researchgate

教員紹介動画

   日本は世界有数の火山国です。私の研究はその火山に関するもので、特に活火山の噴火史と火山下のマグマプロセスの解明に焦点を当てています。火山はどのような一生を辿るのか、またその源であるマグマは地下でどんな動きをしているのかということを解明しています。これまで、蔵王山、鳥海山、鳴子火山、高松岳、青麻山、白鷹山、月山などの東北の火山を主に対象にしてきましたがドイツやメキシコなど海外の火山を扱う場合もあります。東北の火山は安山岩質の成層火山が主体ですが、その噴火史やマグマプロセスには各火山に共通の特徴と火山毎に見られる特性があります。火山を理解するにはその両面を明らかにすることが重要です。明らかになった事実は噴火予測など火山防災の上でも役立っています。火山研究の基本は野外調査にありますが、荒涼とした風景と風光明媚な面を併せ持つ火山地帯での,時に瞑想に耽りながらの調査は,独自の自然観を養う上で特別な体験にもなります.
Jordan, R.W. 教授
【Ph. D.】

山形大学研究者情報

Researchgate

Academia.edu

教員紹介動画

   私の専門は大きく分けて2つです.1)現在の海洋植物プランクトン群集(特に海成石灰質のナノ化石と珪藻化石)による,第四紀の古環境の解明しています.石灰質のナノプランクトンは非常に大きなブルーム(大増殖した水塊)を時々作り,衛星からも見ることができます.これらのブルームはとても大きく頻繁に発生してイオウの化合物(DMS)を大気に放出し,世界の気候に大きな影響を与えていると考えられています.2)北極・南極の海中の珪藻化石の詳細な分類調査から,進化を調べています.気候変化の珪藻進化は影響を受けているので,これからも環境の変化がわかります.電子顕微鏡を使って,微化石の世界を探りながら,大きなスケールの海洋の歴史を一緒に研究してみませんか.また,ジョルダン研究室を訪ねて来る海外の研究者や他大学の学生とディスカッションする機会もあります.

関連組織等リンク 説明
山形大学蔵王樹氷火山総合研究会

蔵王山やその周辺地域の自然環境は近年2つの点で大きく変わりつつあります。一つ目は、大気環境の変化で、大陸からの汚染物質が多く飛来するようになってきたことや樹氷の木(アオモリトドマツ)がガの食害で枯死の恐れがでてきていることです。これらは地球温暖化との関連が懸念されています。二つ目は、2011年3月の東北地方太平洋沖地震の結果として地質環境が大きく変化したことです。その結果、温泉の活動が変化したり、2013年1月以降、蔵王山の火山性微動が活発化しています。本研究所では、蔵王山や周辺地域をフィールドにして近年の地球温暖化や越境汚染の影響について、樹氷・エアロゾル・降雨の研究によって把握すること、および東北地方太平洋沖地震を契機とした島弧内部の変化について、火山・深成岩・熱水・地震・地質等の研究によって火山の噴火の歴史、マグマの変遷、地下構造を解明することにより、大気汚染対策や噴火災害などについて総合的に検討を行っていきます。
山形大学災害環境科学研究センター

山形県は自然の魅力にあふれ、全市町村に温泉が湧出する、地球の恵みが豊かな県です。一方近年、全国的に自然災害が多発しており、山形県においても風水害・火山噴火・内陸直下型地震・日本海の津波など、安全を脅かす種は尽きません。山形大学災害環境科学研究センターは、地球の恵みと脅威に関する探究の推進と一般への普及啓発を目的とし、地域に寄り添い連携をとりながら活動を行います。
アイスコアサイエンスクラスター
アイスコアサイエンスクラスター
Ice Core Science
山形大学理学部 アイスコアサイエンスクラスター
マグマ学・火山学クラスター
マグマは地球46億年の歴史の中で絶えず活動してきました。マグマが固まって出来た火成岩を解析することは地球の歴史を解明する重要な手段となります。また、マグマは火山噴火の源であり、マグマの成因や変化機構の解明は火山噴火を理解する上で欠かせないものです。
本クラスターでは、火成岩が広く分布する東北地方を中心にして、火成岩をもたらしたマグマの成因や変化機構を解明します。また、東北地方の18の活火山のうちの代表的な火山について、噴火史を解明し、過去に発生した噴火現象の規模や特性を明らかにし、今後の噴火について、噴火の源となるマグマの様子も含めた予測を行います。
各研究で得られた成果を融合させ、自然災害の軽減に役立てます。
地球年代学クラスター
地球年代学クラスター
Yamagata Univ. Geochronology Cluster
地球年代学クラスター
地球ミュージアム
地球ミュージアム,あります.
教員研究紹介動画 Youtube(約10分)  

2021年定年退職教員(柳澤文孝先生・丸山俊明先生)に関するページ



地球科学クラスターの目標

地球を対象に,様々な分野の研究を通してその姿を解明する.具体的には,古生物を用いた海洋環境の変動史の研究,大陸の形成や火山活動解明の研究,地球変動帯での熱水循環などを解明する研究を行う.各研究の成果を融合させ,地球環境問題の解決や自然災害の軽減に役立てる.さらに,地球の未来像を描き,その知識を広く社会に浸透させる.


地球科学クラスターのホームページについての連絡先

  • 岩田尚能

contents